私は20歳の女子大生で、カフェでのアルバイトをしていました。大学の授業やサークル活動と両立しながら、週に3〜4日、夕方から閉店までシフトに入っていました。最初は「おしゃれなカフェで働けるなんて素敵!」と意気込んでいたのですが、現実は想像以上に厳しかったのです。
店長は気分屋で、少しでもミスをすると大声で怒鳴りつけ、他のスタッフの前でも平気で人格否定をするような人でした。特に私のような新人には厳しく、毎日ビクビクしながら働いていました。お客様の前では笑顔を作っていても、裏では常に胃がキリキリしていました。
さらに、先輩スタッフの中には、仕事を教えてくれないどころか、わざと私にだけ難しい作業を押し付けたり、陰で悪口を言ったりする人もいました。休憩時間も一人で過ごすことが多く、精神的にどんどん追い詰められていきました。
「辞めたい」そう思う日は日に日に増えていきましたが、いざ店長に「辞めます」と伝える勇気が出ませんでした。怒鳴られるのが怖い。引き止められたらどうしよう。人手不足だから、私が辞めたら迷惑がかかるんじゃないか。そんなことばかり考えて、結局何も言えないまま、毎日バイトに向かうのが憂鬱でたまりませんでした。
ある朝、目が覚めても体が鉛のように重く、涙が止まらなくなりました。「もう無理だ」そう思った時、ふとネットで「退職代行」という言葉が目に留まりました。以前、SNSで話題になっているのを見たことがありましたが、まさか自分が利用することになるとは思ってもいませんでした。

藁にもすがる思いで無料相談へ
いくつかの退職代行サービスのウェブサイトを比較検討し、アルバイトでも利用できるか、費用はどのくらいかなどを確認しました。学生の私には決して安い金額ではありませんでしたが、この苦痛から解放されるなら、と決意しました。
勇気を出して、ある退職代行サービスの無料相談フォームに、これまでの経緯と「辞めたい」という気持ちを書き込みました。数時間後、すぐに担当者の方から丁寧な返信が届きました。私の状況を理解し、寄り添ってくれる言葉に、少しだけ心が軽くなりました。
翌日、大学の授業の合間に、思い切って電話をかけました。電話口の担当者さんは、とても穏やかな声の女性でした。私が店長や先輩からのパワハラ、精神的な苦痛を話すと、親身になって聞いてくれました。「よく頑張りましたね。もう大丈夫ですよ」その言葉に、私は張り詰めていた気持ちが緩み、涙が溢れて止まりませんでした。
担当者さんは、退職代行の具体的な流れ、費用、そしてアルバイトでもスムーズに退職できることなどを丁寧に説明してくれました。私はその場で正式に依頼することを決めました。
会社との連絡を断つ解放感
依頼後、担当者さんからは「会社への連絡は全て私たちが行いますので、あなたからは一切連絡しないでください。会社からの連絡も無視して大丈夫です」という指示がありました。私はすぐに店長やバイト仲間からの連絡先をブロックし、通知もオフにしました。これで本当に会社から解放されるんだ、という期待と、少しの不安が入り混じった気持ちでした。
翌日、いつもならバイトに向かう時間帯になっても、家でゆっくりしているという現実に、不思議な感覚を覚えました。携帯電話をチェックすると、やはり店長から何度か着信がありました。代行サービスが連絡してくれた証拠です。私は指示通り、一切連絡を取りませんでした。
数時間後、代行サービスから「会社に退職の意思をお伝えしました。店長からは引き止めたい旨の連絡がありましたが、ご本人の意思が固いことをお伝えしました」という報告が入りました。直接、店長の怒鳴り声を聞くことなく、退職の意思が伝えられたことに、心底ホッとしました。
その日のうちに、退職日や最終給与、制服の返却方法などについて、代行サービスを通じて会社と調整が進んでいるとの連絡を受けました。私は何もせず、ただ待つだけで良いという状況に、本当に驚きました。
新しい自分への一歩
結局、私は退職代行サービスを利用して、わずか数日で円満に退職することができました。会社から嫌がらせを受けることもなく、必要な手続きも全て滞りなく進みました。有給休暇も消化でき、最終的な給与も無事に振り込まれました。
この経験を通じて、私は退職代行サービスを利用して本当に良かったと心から感じています。
一番のメリットは、やはり精神的な負担からの解放です。毎日バイトに行くのが怖くて、体調を崩していた私にとって、退職代行はまさに救世主でした。自分の口から辞意を伝えるストレスから解放されたことで、心身ともに回復することができました。
また、第三者が間に入ってくれる安心感も大きかったです。もし自分で交渉していたら、きっと店長の圧力に負けて、辞めることができなかったかもしれません。法的な知識がなくても、専門家がしっかりと対応してくれるので、不安なく退職プロセスを進めることができました。